あーさーのひとりごと

交通・社会について駄文を書き連ねる

関西地区の民鉄におけるICカード乗車券のICOCA化の潮流

JR西日本から発表されたこんなプレスリリース。
ICカード乗車券を活用した連携サービスの拡大について:JR西日本
関西地区の民鉄において、新たにICOCAの発売が行われるとのこと。

平成28年(2016年)春からの予定で新たにICOCAICOCA定期券の発売を行うのは、

の6社局。
準大手私鉄や公営鉄道を含む民鉄がJRのカードを導入する形となるが、関西地区では2011年から既に先例があり、

大手私鉄2社でICOCAICOCA定期券の発売を行っている。

関西地区における民鉄発行のプリペイド乗車券にはスルッとKANSAI協議会発行の磁気カードの「スルッとKANSAI」カード(以後スルKANと表記)が存在する。しかしICカードには関東におけるPASMOのようなプリペイド乗車券が存在せず、ポストペイ式の「PiTaPa」のみ発行という状況がしばらく続いていた。
ちなみにこのPiTaPa、ポストペイすなわち後払い式の利点を生かし、月間の利用額や利用区間に応じて割引を行うなど、柔軟な運用が可能となるメリットがある一方で、月末にまとめて利用料金を請求するクレジットカードと同様の扱いとなってしまい、審査の手間などが敬遠されるデメリットがあるためにICカードの普及がいまいち進まないとされていることが(その手の人間の中では)有名であった。

話を戻す。
民鉄各社からのプリペイドICカード乗車券の発行がしばらく成されなかった関西地区であるが、スルKANを廃止し、2~3年以内に別のプリペイドICカードを導入との報道が2014年秋頃にあった。ここ数年、磁気カードはデータの読み書き機器の製造終了やメンテナンスコストに関する問題から全国的にICカードや他方式の乗車券に置き換えられる例が多く、スルKANもその例に漏れず機器の問題が浮上したのだろう。

このとき私は「スルッとKANSAI ICカード」や「プリペイドPiTaPa」とでも呼ぶべきICカード乗車券をスルッとKANSAI協議会の方で導入するというアイデアが脳裏をよぎった。
しかし上述の通り、この時点で既に関西私鉄2社におけるICOCA発売が行われていたため、関西私鉄のプリペイド・定期券用ICカードICOCAに統一する可能性も捨てきれずにいた。

今回の6社局でのICOCA発売開始の告知から見るに、スルKANICカード置き換えはICOCAによって為される可能性が一段と強まったように見える。
阪堺電気軌道や水間電鉄のようにスルKAN(磁気カード)の利用は出来ずともPiTaPaが導入されている路線もあり、特段の改札機器の調整無しでICOCAが利用できる。ここで新規カードを導入してしまうのも機器調整コスト面からすると疑問であり、そういった点からもICOCA統一の流れに分があると見える。

スルッとKANSAIといえば関西私鉄乗り放題の磁気カードがある。あちらはカードリーダーの無い路線でも裏面の日付記入の上での提示で利用できる現状を鑑みれば、磁気カードによる発行のままとしても大きな問題は無いと思われる。

前述の通り、ICカード乗車券の普及率の低さの原因をPiTaPaとする考えがある。一方、ご存知の通り、関西地区では金券ショップや金券券売機における割引切符の購入が多さから、ICカード乗車券は割引無しには普及しないとも囁かれてきた。
果たして、今後の関西私鉄におけるICOCA(あるいはスルKAN後継ICカード)の発売によって今度こそICカードの普及に弾みがつくのか、それとも金券ショップ文化には太刀打ち出来ないままなのか、注目していきたいところである。