あーさーのひとりごと

交通・社会について駄文を書き連ねる

北海道新幹線札幌開業時の輸送体系(その1?)

5月になろうとしているところで、2016年度初投稿。
ちなみに前回記事にある四国乗りつぶし計画については、諸事あっておじゃんになりましたとさ、ちゃんちゃん。
今回は新函館北斗駅までの開業で沸き立つ北海道新幹線のはなしをつらつらと。

北海道新幹線が15年後の2030年度に札幌までの延伸開業が成されることになっているのは報道の通り。この札幌延伸開業の終点、札幌駅の新幹線ホームの確保で二進も三進もいかなくなっている感がある。
JR北海道曰く、札幌駅の1・2番ホーム(第1ホーム)を新幹線ホームに転用するという当初計画のままだと、3~10番ホームに新設の11番ホームを加えても現行の在来線列車本数が捌けないとのことである。他にも0番ホームを新設する案など数案が出されたものの、デメリットが大きく実現困難とのことである。

今回はこの新幹線ホーム問題の改善に繋がるかもしれない(?)話でも書いておく。

新幹線の「目的」

まずは、新幹線の「目的や意義」についての話をする。

東海道新幹線の建設目的の一つに「在来線の輸送逼迫の改善」があった。これにより在来線の特急列車の輸送力を新幹線に移すことで、在来線に増発余地を増やし、貨物列車や普通列車の増発に繋げることができた。
この手法は東北・上越新幹線でも同様で、特に東北本線宇都宮線)や高崎線といった首都圏在来線の優等列車を大幅に減らすことで、現在の中距離電車の運行体制に繋げられている。機会があれば東北新幹線開業前の東北本線の時刻表を見ていただきたいのだが、その多くが優等列車(そのうち、近年はほぼ消滅した夜行列車も夜間帯の普通列車の本数の少なさの一要因ではあっただろうが)で埋め尽くされた姿は、中距離電車が占める現在のそれとは大きく違い、利便性の面からも決して褒められるものではなかったであろうと推測される。

その後の、北陸・東北・九州・北海道新幹線各線については、一部区間並行在来線のJRからの分離が行われるなど、在来線輸送力増強よりも高速新線としての役割の方が強く出ているところも多くなってはいる。がしかし、九州新幹線のうち2011年開業の博多~新八代については、博多~鳥栖間で鹿児島方面と長崎方面への特急が輻輳して輸送の逼迫が起こっていたところ、鹿児島方面については新幹線に移すことで多少の余裕を作れるようになった。
このように「在来線輸送力の増強」は東海道新幹線から脈々と受け継がれていることがわかる。

北海道新幹線における並行在来線輸送逼迫の改善

次はこれら在来線輸送力増強の話を、北海道新幹線に当てはめてみる。

2016年現在、北海道新幹線新函館北斗~札幌間に並行する函館本線室蘭本線千歳線の通称「海線」ルートには、

が運行されている。
これらの列車が通過するルートで最も輸送力の逼迫している区間は、千歳線の札幌~南千歳の区間である。ご存じかとは思うが、

これらが上記の函館方面の特急と合わさることで現在の状況を生み出している。この区間では現状最大限の列車が設定されていることは、2016年3月ダイヤ改正に関するプレスリリース*1内でも述べられているとおりである。今回のダイヤ改正にて、混雑の元となっていた快速エアポートの旭川直通列車の札幌分断も行われたほどだ。

室蘭・函館方面の特急は、数年前のキハ183系気動車のエンジン出火トラブル等による減便で混雑が激化していたことがたびたびテレビでの報道やTwitterでのツイートにて流れてきていた。基本的に道南方面の特急は札幌~苫小牧や東室蘭といった胆振管内からの区間利用があることもあって、減便以前から混雑が激しい状況であった。
2016年3月のダイヤ改正で12往復となり、室蘭・函館方面の特急のうち「北斗」系統については、ほぼ減便前の輸送水準にまで回復したといえるだろう。
しかし、減便後と2016年3月のダイヤ改正に伴う2度の特企券の見直しにおいて「すずらん」限定の特企券が発売されている。これは、札幌~室蘭での乗客の「北斗」系統からの分離を図ったとみても不思議ではなく、依然として「北斗」系統の混雑解消が急務であることが窺える。

一方で、北海道新幹線長万部から倶知安小樽市新小樽(仮称)を経て札幌へと至る、函館本線の通称「山線」を高速化したルートを取る。
こちらは沿線に小樽市以外に市はなく、次に大きな乗客需要が見込めるであろう街としては、後志総合振興局が立地し、スキーリゾートとして国内外で名が知れるニセコの玄関口となる倶知安くらいなものであろう。
とは言え、札幌と道南や本州との速達性向上、距離短縮による建設費低減、有珠山での火山災害回避(先の、と言ってももう15年になるが、有珠山噴火により室蘭本線が不通になったことは大きい)を考えると、申し分無いルート選定であると思う。

道内ーの過密区間解消に繋がるか?

しかしながら、この山線経由ルートは、長万部東室蘭~札幌間の海線経由ルートの乗客をそっくりそのまま新幹線に転移させることができない、ということが最大の問題ではないかと考える。

先述のとおり、海線系統は特に室蘭~苫小牧~札幌間において相当数の乗客がいる。「北斗」系統のうち函館~長万部間を新幹線へ転移させても、とても海線区間優等列車を廃止・大幅減便とはいかない状況であろう。
個人的な推測ではあるが、「北斗」系統12往復、「すずらん」6往復を1時間~1時間半間隔に組み替えて、2列車の時間帯が被る2~3往復程度を削減し、15~16往復程度まで減らして残存させる辺りが関の山ではなかろうか。
以前、海線の最高速度130km/h、新幹線の最高速度260km/hとして、海線の特急停車駅各駅から札幌へのアクセスにおいて、新幹線経由と海線経由のどちらの所要時間が短くなるのかを概算してみたことがある。
すると、札幌~室蘭・伊達までは従来どおり海線経由の方が速く、洞爺でやっと長万部乗り換えの新幹線経由との所要時間が逆転するといった様相であった。
ここから考えるに、現在の「すずらん」運行区間からJRで札幌にアクセスする乗客は、新幹線札幌開業後もほぼそのまま海線経由の特急を利用し続けることになると考えられる。
すなわち北斗系統・海線経由の乗客数は新幹線への転移があれど、本数はさほど減らせないということになる。

この「本数はさほど減らせない」は、そのまま先述の千歳線の輸送逼迫問題に繋がってくる。
せっかく新幹線という大量輸送機関を造っても、道内ーと言っても過言ではない過密区間の輸送改善には十分ではないだろう、というのが私が伝えたいことの一つである。

抜本的な改善策

かなり暴論ではあるのだが、北海道新幹線は札幌から50kmほど頑張って延伸し、新千歳空港へと直通させ、実質的な千歳線複々線とすべきではないか。

北海道新幹線新千歳空港乗り入れ便、新幹線車両での空港シャトル輸送便などをこの延伸線へと乗り入れさせる、という妄想である。一方で、千歳線については現行の快速エアポートの停車駅を増やす、あるいは減便し、さらに空港方面主体のダイヤから苫小牧方面主体のダイヤに組み替え、「北斗」「すずらん」混雑の一因となっている苫小牧方面系統の増強をしたい。空港輸送は新線のシャトル便に転移させれば、空港支線は(千歳~)南千歳~新千歳空港を3両で15~20分間隔のピストン輸送をしていれば十分になるだろう。
最高速度については、200km/h前後であれば十分だろう。200km/hとすることで、ギリギリ在来線扱いのミニ新幹線的扱いを狙えるのかもしれない。

三線軌条化が可能なら、札幌発の在来線特急の乗り入れもやってみたくなる。
在来線120~140km/hでの走行となるが、新幹線との速度差が邪魔になるなら空港輸送は新線のシャトル輸送列車に任せ、特急は千歳線に戻しても良いかもしれない。
新線の空港シャトルがあれば千歳線から空港輸送分を減らせるので、どのみち沿線通勤客の快適性向上にはなるだろう。

新線建設は現実的ではない、とすると?

とまぁ言うは易しだが、資金は降って湧いてくる訳ではない。それはもちろんJR北海道自身も分かっているだろう。

そこで、現行の札幌駅第1ホーム転用よりは多少建設費は嵩むとは思われるものの、新線建設をほぼ行わずに在来線の札幌駅の乗り入れ列車、というより在線列車を減らす方法を提案したい。
まずは現状の札幌駅の日中ダイヤの確認だ。

小樽方面(函館本線

路線概略:小樽 - ほしみ - 手稲 - 桑園 - 札幌

計:7~9本/h(手稲の札幌運転所までの回送列車除く)

北海道医療大学方面(学園都市線

路線概略:北海道医療大学 - 石狩当別 - あいの里公園 - 桑園 - 札幌

計:3本/h

千歳方面(千歳線

路線概略:札幌 - 白石 -千歳 - 南千歳(- 苫小牧/帯広方面) - 新千歳空港

計:8~10本/h(札貨タミからの貨物列車除く)

岩見沢方面(函館本線

路線概略:札幌 - 白石 - 江別 - 岩見沢 - (旭川方面→)

普通 江別行き:1本/h
計:6~7本/h

ざっとこんな感じである。
千歳線の空港輸送特化と過密ぶりが目につく。学園都市線は近郊輸送のみを担うとあって、日中3本/h、通勤時間帯4本/hと少ない。最大4本/hなのは、札幌~八軒間に単線が残ることも影響していたりするのかもしれないが(未検証)。ただ、函館本線の両方向の普通列車本数などを見るに、日中の普通列車3本/hは札幌近郊ではこのくらいが妥当なのかもしれない。
ここで列車名に●や▲で示した列車は、札幌駅で折り返しがある、すなわち長時間在線する可能性のある列車である。●は全列車、▲は4本中2本が折り返しである。これを見ると、やはりというか、特急列車と、独立した運用の学園都市線が占める。

道内の特急輸送体系は札幌を中心としたものになっているが、その全てが札幌駅の東側に発着する。ここが先に例を出した過密区間である博多~鳥栖との違いで、あちらは博多をスルーし小倉や門司港方面へと直通する列車が設定されていたのに対し、こちらはそれが全く無い。
今春のダイヤ改正における快速エアポートと特急スーパーカムイの直通解消に伴い、琴似駅の札幌方に折り返し線が新設された。このような折り返し線を函館本線小樽方面、あるいは学園都市線方面にも設けるか、いっそのことL特急については手稲や小樽まで直通させる手も無くはないだろう。ただそもそも、わざわざ特急に乗る客も多くなさそうだが。

学園都市線については、

  • 非電化時代の線内完結ダイヤを継承したこと
  • 札幌~桑園間の学園都市線の専用単線が北側1線である→他線へ直通すると交差支障が発生→早朝夜間以外の他線への直通を避けていること

が、ほぼ全列車が札幌折り返しであることの理由であろう。
この独立した運用は、特に冬場の他線の遅延発生時でも影響を受けない、あるいは線内の遅れが他線に影響を及ぼさないという大きなメリットがあった。
しかし、9・10番ホーム(第10ホーム)の多くを学園都市線折り返しとして使っている現状は、ホーム運用効率が良いとは言えないだろう。10番線発車の函館本線江別方面普通列車も1~2本/hほど存在していることから、この辺りの列車と直通させることで在線時間を減らす工夫であれば、新たに工事が発生することはなく安上がりと言えば安上がりであろう。

(長々書きなぐりましたがこの辺りで一旦中断します。
という訳で続く……?)

【2017.3.20追記】その2(新幹線ダイヤ予想)書きました